体位性頻脈症候群の治療

体位性頻脈症候群とは

体位性頻脈症候群というのは起立性調節障害を4つに分けた中の1つのサブタイプのことをいいます。

起立性調節障害で最も多いのが「起立直後性低血圧」というサブタイプですが、2番目に多くのがこの体位性頻脈症候群というサブタイプです。

どのタイプにあたるかは、大きな病院で検査をしてもらえば診断してもらえるはずですが、なかなか病院では改善が見られない方がどうしようもなくなって当院に来院されているケースが非常に多いのです。

起立性調節障害は自律神経失調症の一種ですからこの体位性頻脈症候群もまた自律神経失調症の一種と言えるでしょう。

体位性頻脈症候群はさらに2つに分けることができます

この体位性頻脈症候群はさらに2つに分けることができます。

1つ目は、起立時に心拍数が115(拍/分)以上の頻脈で、血圧低下が正常範囲という特徴です。

2つ目は、心拍数が115(拍/分)未満であっても、起立時の心拍増加が35以上であれば体位性頻脈症候群と診断します。

すなわち、横になっている時でも、起き上がった時でも頻脈を起こす子供と、横になっている時は頻脈ではなくて、立ち上がると 頻脈になる子供の場合とがあります。

体位性頻脈症候群の症状

症状としては、立ち上がった時の心拍数が115~120(拍/分)以上であったり、寝ていたり、横になっている時の心拍数より 30~35以上上昇したりします。

立ち上がった時のふらつき、よく言う立ちくらみ、全身の気だるさや動悸、頭痛、失神など起立性低血圧とよく似た症状があります。

起立性低血圧と違って、起立時に血圧が低くないため、医師からは体のどこも悪くないとの診断をされがちです。

上記に挙げた数値での症状としては、軽症あるいは中等症で、この数値よりも高い数値であれば、重症といえます。

症状は個人差があるものの、大体において朝起きる時が多く、また、長く立っている時など頻脈が起こり、いろいろな症状が 現れます。

でも、だいたいが午後から、とくに夕方ぐらいにには普通に近い状態で過ごしたりします。これは、起立性調節障害のどのタイプにでもいえます。

問題点として、

  • 朝起きられない。夜寝つけない。
  • 遅刻、不登校になりやすい。
  • 周りからは仮病や怠けもの、甘え、サボリなどと思われやすく誤解される。
  • いじめなど精神的な悩みを抱えていることも多い。
  • 集中力の低下による学力低下しやすい。

体位性頻脈症候群の病院での治療

薬物療法

塩酸ミドドリンなどの血管を収縮させ、血圧を上げる働きがあり、体位性頻脈症候群などでは最初に使われます。効果はゆるやかに現われるためしばらくは様子を見ます。

プロプラノールなど心拍数を減らし、血管を収縮させ働きがあり、血圧や不整脈のための薬です。

薬では大なり小なりの副作用があります。

前者では頭痛、動悸 後者ではだるさ、目まい、徐脈、低血圧、手足の冷えなどがあります。
症状にあわせて、その症状をやわらげたり、抑えるための薬が処方されるのが一般的で、血圧が低くなれば上げるための薬、頭痛がひどければ和らげる薬などを処方します。

ほとんどの医師は非薬物療法から開始します。

・生活習慣の改善
・食事療法
・運動療法
など時間をかけながら、心のケアをしながらの治療です。

ですが実際にはなかなか改善されずにあちこち病院を変わってみたけどずっと症状に苦しんでいる方も多くいらっしゃるのが現状です。

体位性頻脈症候群に悩む子供の体験談を少しご覧ください

体位性頻脈症候群の体験談

girl-img私は今、中学3年生です。起立性調節障害体位性頻脈症候群で、悩んでいるいます。
先日、救急車で運ばれました。かかりつけの小児科に行くと、検査をされました。
そこで起立生調節障害の検査をおこないました。
頻脈かどうかの検査を行い、陽性(体位性頻脈症候群)と診断されました。
頻脈になる時は、だいたい限られていて長く立っていた時(だいたい15分)とか家で1人で居る時とかに頻脈になります。
頻脈になると景色が白黒になります。
それに、毎朝の頭痛です。どんなに調子が良い時でも9時30分位まで横になっています。しかも夜は、だいたい10時30分前後には、寝ていて朝お母さんに起こされるのは、7時30分です。
自分でも、病気になると思ってもいませんでしたし、体力にも自身があったのでショックでした。 この病気になってから暑い所がダメになってしまいました。

宿題もできません

girl-img体位性頻脈症候群の中学生の女子です。

今、とても苦しいです。
明日までに提出しなければならない宿題をやろうとしているのに心臓がとてもドキドキバクバク、とてつもなく気持ち悪いです。。

ただの気持ち悪いではなく、とても呼吸がしづらく唾液を飲もうとすると突っかかる感じがして飲み込みづらいです。
なぜか泣きそうになります。

もうどうすれば良いのでしょうか?

このようにまだ中学生のお子さんや小学生のお子さんが苦しまれています。

体位性頻脈症候群は起立性調節障害の1つのサブタイプであるという話は冒頭にさせていただきましたが、起立性調節障害の代表症状である立ち上がりのときのめまいや立ちくらみといった症状が出ないケースがあるため、起立性調節障害=立ちくらみと考えている医師では見過ごされてしまうケースがあります。

体位性頻脈症候群と起立直後性低血圧は同じ起立性調節障害でも症状が違いますからちゃんと見極めをする必要があります。

慢性疲労症候群を併発することもある

まだ医学的にも体位性頻脈症候群と慢性疲労症候群の因果関係は解明されておらず諸説あります。

慢性疲労症候群とは原因不明の疲労、体のだるさが続く症状のことです。

そのため、やる気はあっても体が動かない、どうにもできないという状態に陥ります。

医学的には心身病と分類されますが、心身病とは「気のせい」や「やる気の問題」などではかたづけることができないものです。
もちろん大人でもこういった症状に苦しむ人はいますが、子供の場合は特に自律神経の変化が影響しやすく、しっかりと施術を通して自律神経を整えることが重要です。

子どもの「浮指」の影響も大いに考えられる

昨今、問題となっている子どもの「浮指」という問題も自律神経の乱れに影響しております。

浮指とは指が地面についていない状態で歩いているという状態のことをいいます。指は地面と自重との圧力によってポンプの役割を果たし血液を循環させます。

その役目が果たせていない状態だと当然、血液がまわらなくなり、自律神経も乱れてくるというわけです。

人間の体は単純な物ではありません。たかが足の指がついてないくらいで、そんなことになるなんてっておもうかもしれませんが、子は親を見て育ち、子どものことを一番見ているのは親です。

歩き方一つで改善するケースもあります。しっかりお子さんのこと、歩き方も含めて観察してみてください。

当院に月に70名以上の起立生調節障害(体位性頻脈症候群)に苦しむ方が来院され、数回の施術で症状が緩和され、継続的に通っていただくことで学校にも問題なくいけるまでに回復されています。

お子さんが体位性頻脈症候群と診断されて、病院での治療を受けても一向に改善しないと悩んでいる方は一度当院にご相談ください。

きっとお力になれるはずです。